グローバル英語教育研究会(AGEnT)ワークショップ
http://globalenglishteaching.jimdo.com/
批判的思考力や対立解決能力をつけるには(第3回)
2013年11月14日(月・祝)[報告]
はじめに
爆弾低気圧とかで、大雪となり、悪天候だったが、5名で実施した。これまで2回のふりかえり、参加型手法をできるだけ体験するという要望に、こたえたいというオープニングの後、かつてD.セルビーさんによるワークショップでよくもちいられたグローバルビンゴ、そして未来のとらえ方、わたしたちの将来、社会の未来をイメージした後、どのようによりよい社会をつくるか、社会参加の方法にせまりたい。また、戦後、国際社会じよる努力の結実ともいえる国際人権規約条約のマッチング、その時機におうじた国際○年をみるようなワークショップを淺川が用意した。
木村からは、フリー・ザ・チュルドレンの創始者のクレイグ・キルバーガーのスピーチを学んだが、それをどう発展させるか、また倉本からは、Great Peace Makers に取り組んだ授業報告(サマリープレゼンテーション、ワールドカフェ方式でグループでの意見交換の後ポスターを作成し発表する)があった。
1)グローバルビンゴ
ビンゴを応用したものであるが、5×5のマスに質問が書かれたワークシートを用意して、相手に質問を問い、その質問にYes の答えが返ってきたら、どこの国に該当するか国名を聞いて書き入れるようにすすめる。相手には一度に1つの質問のみできる。Yesが返ってこなかったら、もう一度質問するようにし、相手を交代しながらすすめる。はじめにペアをつくり、どちらからはじれめるか段取りをしたり、見本をみせるとスムーズにすすめることができる。相手の答えのみ書き入れると念をおした。英語の活動でよくなされる Find someone who の応用形ともいえる。
本来は、時間をとって、どの項目が容易であったか、反対にどれが難しかったか問いかけながら、これらの項目について、類別したり吟味するとよい。もともと英国でつくられたものなので、日本でするにはそぐわないもあるとの意見もあるが、英国ですら該当者を得にくいものもある。例えば、「親が海外で生まれた人、あるいは親類が海外にいる人」という場合、差別を助長しかねないという意見もだされたが、そこでその人がいなければ、ビンゴにならないので、誰しもが聞きに来て、欠かせない存在と再認識されたという経験もあるという。
またマスのなかに入れるものを人権に関したものにしたり、アドボカシー(行動)を問うものにして展開することもできる。
Globingo[リンク]
簡易版[リンク]
解説[リンク]
2)未来についての考え方を問う
未来についての考え方をあらわしらフレーズを大きめに印刷した紙5つを部屋の壁にはっておき、分担を割り当てて、割当られたものをノートに書き取るか記憶するよう時間をとった。誕生月で順番を決め、その順番で、読み上げて、他の人は書き取つてフレーズをノートして手元に書き留めた。次に、それらのフレーズののうち自分に当てはまるもののところに立ち、意見交換をした。望ましく思うものと、現実は異なるという意見もあり、定義があいまいなことから、いろいろ解釈することができ、論議の端緒となるということを体験した。フレーズは以下のとおり。
(1) The future is like a blank sheet of paper.
(2) The future is like a railway track between two great cities.
(3) The future is entirely random, a colossal dice game.
(4) The future is like a great ocean.
(5) The future is a mighty river and we are in a boat on the river.
これも1996年から200年にかけてのD.セルビーのワークショップでなされたものである。
3)社会参加のための行動
未来を現実のものにするには、社会にはたらきかける必要がある。意見を伝えたりするのにどのような手段があるだろうか。わたくしたちはどれだけそうした方策を持ちえるのか。以下、オーストラリアの社会科の教科書にあったものををあげる。
Check the items that young people can do to change their society.
□ organize / sign a petition
□ organize a public meeting
□ design / distribute leaflets and posters
□ vote at a election / a referendum
□ go to see a member of parliament or council about a issue
□ wear a badge, ribbon or T-shirt supporting a casue
□ write letters to newspapers, parliamentarians or councilors
□ join a street demonstration
□ perform street theater
□ stand for parliament or council
ジーン・シャープが示した198の非暴力的方法が、アラブの春の基盤になったといわれるアルバートアインシュタイン財団のウエッブにある。
http://www.aeinstein.org/organizations103a.html
社会を変えるというと、日本語では、政治的だと批判されかねない。例えば、動物虐待や、震災支援のために何ができるか、といいうような問いかけでもよい。まちづくりで子ども議会やミニミュンヘンというとりくみがある。政党のマニフェストを検討したり、模擬選挙の実践もある。
4)国際規約・条約
地域での課題は国際社会と連動する。第二次世界大戦以降、紛争は絶えないとはいえ、国連を中心に、さまざまなとりくめがなされてきた。人権や平和を求めるための文書はきわめて重要であう。別途ファイル(資料1・2)をダウンロードできるようにするが、主要国際規約・条約・宣言などの英文名と和訳をカードにしてマッチングさせる。あるいは説明の英文のみ配布して、それぞれ見出しをつけるなどできる。
カードを歴史的経過にしたがってならべるということもできるが、知識を問うことになると、従来のトップダウン(一方的な)教え方になってしまう。身近なルールを考えることにもつなげたい。
単なるマッチングでは、リーディングの学習なのではという疑問もだされたが、知識を学ぶということよりは、おおまかな流れをとられることができたらよいと考える。
歴史は大国の交渉の結果であり、正当なものではない。人権規約から、人種差別、女性差別の撤廃、そして子どもの権利と権利概念は着実につみあげられてきている。類別してみると、人権と平和への課題、武器の制限があり、戦後は、環境のことは考慮されていなかったことも見てとれよう。
5)国際年
資料2のように国連による国際年が定められていた。マスコミがとりあげると知られることになるが、あらためてふりかえってみると興味深い。国際デー(資料3)もある。
6)Compass
EUのユースセンターには、人権教育のためのマニュアルがあり、無償でダウンロードできるようになっている。
Compass [リンク]
compasito[リンク]
7)フリー・ザ・チュルドレン・ジャパン
教材やDVD
http://ftcj.ocnk.net/product-list/7c
8)人物リソース
倉本から、将来のモデルとなる人物を扱った教材があったらよいという問いかけがあった。GPPACのPeople Building Peaceと1000人の女性にノーベル平和賞のことを紹介した。ウエッブでも検索できる。CNNのヒーローズも教材になるであろう。
GPPACのPeople Building Peace
http://www.peoplebuildingpeace.org/thestories/
PeaceWomen Across the Globe
http://www.1000peacewomen.org/eng/aktuell.php
Biographies[リンク]
CNN Heroes
http://www.jctv.co.jp/cnnj/heroes/