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“Living Together”をめざす教材・活動の視点

浅川 和也

 

国連は昨年5月16日を"Living Together in Peace"(平和に共存する国際デー)とした(2017 A/RES/72/130)。ユネスコによるドロール報告『学習: 秘められた宝』(Learning: the treasure within : report to UNESCO of the International Commission on education for the twenty-first century. 1993)には"Learning to know, Learning to do, Learning to be, Learning to live together"の4つの柱が提示されており、国際社会がめざす"Living Together in Peace"への実現のための教育の指針となる。

英語教育では、およそ30年前から、JALTにGlobal Issues in Language Education が活動しており、年4回ニューズレターが発行されている。

教材内容としては、南北問題にとりくむ開発教育からヒントを得ることができる。海外青年協力隊のOG・OBによる「地球の仲間たち」は任地の子どもたちの様子がわかるような写真からなっている。

http://www.nakamatachi.jp/sample/index.htm

ピーターメンツエルによる"Material World"『地球家族』

http://menzelphoto.com/galleries/material-world/

をはじめとする写真集は、フォトランゲッジ教材の草分けであった。近年、開発教育協会から『世界の食卓 学習プラン10』がだされている。

http://www.dear.or.jp/books/book01/1264/

1990年代、人権教育や環境教育で、参加型の教育手法が多く提案された。ディビッド・セルビー(D.Selby)による"Global Teacher Global Learner"(1988)は、『地球市民を育む学習』(明石書店)として翻訳されている。最近、グローバル人材育成が喧伝されているが、セルビーは'Journey Towards Outside & Inside が学びであるとし、Wholeness・Holisticという全体性や包括性を志向するものであった。また、セルビーは、内容と方法の統合、すなわちテーマ学習とともに参加型の学習方法を提唱した。

In the Global Classroom 1, 2は、小関一也(常磐大学)らによって『グローバル・クラスルーム』(明石書店)として翻訳されている

https://www.akashi.co.jp/book/b65625.html

セルビーは、英国ヨーク大学からカナダのOISE、そしてプリムス大学、現在は、英国で、Sustainability Frontiers という団体で気候変動教育を推進している。

http://www.sustainabilityfrontiers.org/index.php?page=learning-activities

ヨーロッパでの人権教育からも学ぶことは多い。ブタペストにあるヨーロッパ評議会の青年センターから、Compass とCompasitoというマニュアルが編纂され、原著は無料でダウンロードできるようになっている。

https://www.coe.int/en/web/compass

http://www.eycb.coe.int/compasito/

Compasitoは子どもむけのもので、『コンパス』は明石書店から、『コンパシート』は人権教育啓発推進センターから翻訳されている。

参加型の学習は、学習の転換をもとめるもので、北米では、協調学習が平和教育として位置づいている。たとえば、CASEL(Collaborative Academic Socio Emotional Learning)

https://casel.org

という団体があり、教師研修をはじめとして実践を展開している。

その手法は、構成的グループエンカウンター

http://www.toshobunka.co.jp/books/searchresult.php?genre_cd=7

と類似しているが、日本では、学級(集団)づくりと教科指導を別にとらえてきた傾向がある。他方、COREFでは、各教科領域で、協調学習を展開するとして、教材やレッスンプランが公開されている。

https://coref.u-tokyo.ac.jp/archives/5661

認知・情緒面とともに、プロジェクトをとおして学ぶということも重要である。冷戦下、米国とソヴィエトの青年によるテレビ会議に端をはっした、25年の歴史のあるiEARNという団体がある。

https://iearn.org

英語教育を目的とするのではないが、小学校から高校までの児童生徒が国際協働をすすめるプロジェクトが数多く、展開されている。日本からはJEARNが窓口となっている。

教育の可能性を示す例として、映画にもなった Freedom Writers

http://www.freedomwritersfoundation.org

から学ぶことは大きい。アンネの日記の触発された生徒たちが、自分自身について書くことをとおして、生きることに意義を見いだしていった。『フリーダム・ライターズ』(講談社)として翻訳をされている。

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000183845

オランダのアンネフランク財団は、現在、ヨーロッパにおける人権擁護、ヘイトの問題にもとりくんでいて、このようなパッケージの普及をはかっている。

Anne Frank House Reading Writing with Anne Frank

https://www.annefrank.org/en/education/product/63/reading-writing-with-anne-frank/

英語の習熟をねらいとするのではなく、ことばのおもしろさへの気づきを高めたい。ユネスコによる24言語で平和をあらわす文字が示された平和教育教材 Writing Peace Manual は興味深い。

https://en.unesco.org/writing-peace-manual/exhibition